2004年11月12日

『願い星、叶い星』

 で、今日はちょっとどじをして、読書時間がたっぷりできたので、読了。
 感想というかなんというか、ベスターは肌に合わないかも、です。「ごきげん目盛り」とか表題作とか「選り好みなし」とか「昔を今になすよしもがな」とか話とアイデアは好きなんだけど、なんかこうのらない感じ。ツボが違うんだろうな、きっと。む、ひょっとしたらよさがわかってないのか?

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2004年08月01日

クリストファー・プリースト『奇術師』

 ようやく読了。おそすぎー。

 読んでいくうちに、十年前に『魔法』を読んだ時のあの頭の中をぐるぐると巡る不思議な感覚が蘇ってきました。プリーストだー、うるうる、みたいな感じ(笑)。それぞれの手記(というか語りというか物語)を読んでいきながら、「ほんとうのところはいったいどうなの?」という疑念が常にあって、それが少しずつ解きほぐされている(ような気になっているだけかもしれない)のが心地よく感じられました。
  それぞれの章の文章、とくにボーデンとエンジャの語りの差が大きいせいか、長さをあまり感じさせませんでした。謎が提示されて、それが明解にではなく考える幅を持たせながらも解かれていき、途中あっと思わせる仕掛けもあり、そして完全な解決ではない終りを迎えるという構成がわたしの好みだからでもあるでしょう。ラストについては、わたしはこれで納得しています。というか、こういうエンディング好きです。

 以下、ネタばれです。

 
ボーデンが二人いるというのは、彼の手記の中でわりと早くから暗示されていますが、もしかしたらここに幻想的な仕掛けがあるのかもしれないとずっと感じていました。いくつかの読み方ができるポイントその一なのかもしれません。

最初にボーデンの手記がくることで読者はエンジャに対する先入観を植えつけられ、次のケイトの章でいったいこの二人の関係はどんなものだったんだろう、この二人はどういう人物なのだろうといっそう興味をかき立てられます。だから、エンジャの章のインパクトがいっそう大きくなり、そして、メインのエンジャの日記で読者は真実を明かされているような気にさせられるのですが、騙されたことも知ってしまいます。奇術を見る時の観客の愉しみを小説で味わうことになるのです。ここがこの小説の一番のおもしろみであるように思いました。

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